頚椎症とはどんな病気?原因や症状、治療、予防方法を詳しく解説!

長時間スマートフォンやパソコンを見ると首に負担がかかります。悪い姿勢のまま続けているとついには「頚椎症」という病気を発症してしまうことがあります。頚椎症になるとはじめは指先や手、腕のしびれを感じることが多く、ひどくなるとしびれの範囲がさらに広がることもあります。今回は頸椎症について、原因や症状、なったらどうすればよいのかなどについて解説します。

1. 頚椎症ってどんな病気?

首の骨(頚椎)は7つの骨が椎間板(ついかんばん)や靱帯などでつながっています。手足を動かすために必要な情報は、脊髄神経を通って脳と末梢神経の間を行ったり来たりします。

椎間板や靭帯の老化が原因で脊髄神経が通っている脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり脊髄神経が圧迫され、しびれをはじめさまざまな症状が現れるのが頚椎症です。神経根が圧迫される場合は「頚椎症性神経根症」、脊髄が圧迫される場合は「頚椎症性脊髄症」と呼ばれます。

1-1. 頚椎症の原因

代表的な原因は加齢によるものです。頚椎の間にあって衝撃を和らげる役目をする椎間板や靭帯は、20歳を過ぎると加齢にともなって水分が失われ弾力がなくなっていきます(老化現象)。こうした現象は誰にでも起きることで病気ではありませんが、頸椎に骨棘(こつきょく:とげ状の突起)ができたり、靭帯が石灰化したりして脊髄や神経が圧迫され首の痛みや手指のしびれなどの症状が出ると病気とみなされます。パソコン作業やスマートフォンを見るときの姿勢も原因の一つといわれています。また日本人は欧米人よりも頚椎症になりやすいといわれています。

1-2. 主な症状

「頚椎症性神経根症」では、首や肩甲骨付近の痛みや肩のこりを感じる、首を動かすと痛いなど首・肩まわりの症状のほか、左右どちらか一方に首、肩、腕、手の痛みやしびれを感じる、力が入りにくいなどの症状が出ることもあります。「頚椎症性脊髄症」では上記の症状に加え、両方の手足のしびれを感じたり、手指が動かしにくくなることによって箸が使いづらかったり字が書きづらくなったりします。さらに進行すると歩行が困難になる、排尿、排便にも影響が出るなどが考えられます。

1-3. 頸椎椎間板ヘルニアとの違いは?

似た症状が表れる病気に「頸椎椎間板ヘルニア」があります。頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板が圧迫されて「中から髄核(椎間板の中身)が飛び出して神経を圧迫し、さまざまな症状を起こすものです。頚椎症では椎間板の変化や靭帯が硬くなったことで神経を圧迫して症状を起こしているものです。両方とも神経を圧迫し症状が出る病気ですが、神経を圧迫する要因が違います。

2. 頚椎症の治療方法は?

首の骨(頚椎)は7つの骨が椎間板(ついかんばん)や靱帯などでつながっています。手足を動かすために必要な情報は、脊髄神経を通って脳と末梢神経の間を行ったり来たりします。椎間板や靭帯の老化が原因で脊髄神経が通っている脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり脊髄神経が圧迫され、しびれをはじめさまざまな症状が現れるのが頚椎症です。

神経根が圧迫される場合は「頚椎症性神経根症」、脊髄が圧迫される場合は「頚椎症性脊髄症」と呼ばれます。

頚椎症の治療は整形外科で行います。重度の症状でない場合は「保存療法」といわれる頸椎カラーの使用(装具療法)、薬物療法、温熱・牽引療法が行われます。痛みが強い、あるいは頻繁に痛くなる場合は神経ブロックといわれる注射をすることもあります。症状が重症で進行する場合は手術も検討されます。

2-1. 保存療法

保存療法のうち、装具療法は患部を動かさないようにするために頸椎カラーなどの装具を使う療法です。安静を保つことで痛みの軽減が期待できます。薬物療法では非ステロイド性の痛み止めやしびれや神経の痛みに対しての疼痛治療薬、筋肉の緊張をゆるめる筋緊張弛緩剤などが用いられます。 牽引療法はあごのあたりにベルトを掛けて引っぱり頚椎にかかる圧力を軽減するものですが、方向や強さを誤ると症状がひどくなることがあるため、注意が必要です。 温熱療法は患部を温めることで痛みやその他の症状を緩和する療法です。血行が良くなることで筋肉がほぐれ、痛みやしびれの軽減が期待できます。皮膚から直接熱を伝えるホットパックという器具や、電波を利用して筋肉や関節の血行を改善し筋肉をほぐす超短波を使います。理学療法はいわゆるリハビリテーションのことで、運動やマッサージなどで機能の改善を目指すものです。神経ブロック療法は麻酔薬を注射して痛みが伝わるのをブロックする治療法です。

2-2. 外科的療法

頚椎症の治療では、筋力の低下や麻痺などがあるといった日常生活に多大な支障があるほど症状が強い場合は手術が検討されます。その場合神経の通り道を広げる、神経根の圧迫を取り除き固定するといった手術が行われます。

3. 予防、対策方法

頚椎症を予防、改善するためにはふだんの生活の中で首に負担をかけるような姿勢を取らないことや首の動かし方に注意しましょう。無意識にしている体の使い方のクセで症状を悪化させている可能性があります。

3-1. 注意が必要な動作

頚椎症の予防および改善のためには、過度に首を前後させるまたは回転させる、長い時間背中を丸め首が前に出た状態で机に向かう、スマートフォンを下を向いたままの姿勢で見る、寝転んでテレビを見る、うつぶせで本を読むといった動作をしないように心がけましょう。

3-2. 頸椎に負担をかけない

頚椎に負担をかけないためには正しい姿勢を保つことが大切です。正しい姿勢とは立った姿勢で耳、肩、膝関節の前方が一直線に並ぶ姿勢です。うなずく動作や上を向く動作は頸椎に負荷がかかります。とくに上を向く後屈、うがいや飲み物を飲み干すときの首を後ろにそらす姿勢は神経が圧迫される可能性があり注意が必要です。まったく首を動かさないわけにはいきませんが、できる限り頸椎に負担をかけない姿勢をとるように心がけましょう。

4. まとめ

頚椎症は頸椎の間にある椎間板や靭帯が硬くなることで神経が圧迫され、痛みやしびれなどの症状が出る病気です。日常生活では読書やスマートフォン、パソコン作業などの姿勢に注意し、下を向くあるいは上を向く姿勢を長時間続けないようにしましょう。 「はり・きゅう たかこの鍼」では、婦人科疾患の不調をはじめ、さまざまなお体の不調に対して一人ひとりの体質などを考慮し、最適な改善方法をご提案します。これまでの治療に満足できなかった方、ぜひ当院へお越しください。